俺の名前は「ぺぺ」。中学２年生だ。ラジオが俺が眠りにつくまで見届けてくれる。まさにベストパートナー、恋人のような存在だ。そして、次の日、ラジオのことをクラスメイトと話すことがいつもの日課になっている。福岡のローカル番組「パオーン」という人気番組のファンだった。月曜〜金曜まで夜２１時から２４時までの放送は俺にとって青春時代を感じる楽しいひとときだった。時々、野球などで２２時開始などあったときは、ブルーになっていた。そんなラジオとの生活も徐々に、土日にも浸透してきた。しかし、クラスメイトで土日にラジオを聞いているのは、誰もいなかった。事前知識なしに、ラジオのチャンネルをまわす。時折聞こえてくる、わけのわかんない言葉。（韓国の放送のことです）
　土日のラジオは、俺にとって、刺激のないつまらないものだった。しかし、チャンネルをまわしていると、楽しそうな声。「！」と思ってしばらく聞いていると、ものすごく楽しい。そのうちに毎週聞くようになってしまった。それが、全国放送のラジオに、のめりこむ１号だった。渡辺美奈代の番組で、俺はローカル放送以上に、はまってしまった。毎週聞いていた。自分のことを、美奈とよび、ラジオで彼氏を募集してしまうなど、ちょっと変わったラジオ番組だった。そのラジオ番組は、俺にとってまさにゴールデンだった。そのゴールデンのラジオも長くは続かなかった。・・・終了してしまい次にある番組もつまらなかった。勉強などもあり、ラジオからしばらく離れてしまった。
　そんな中、「ふっ」と、ラジオをつけてみると３人の女性の声が！　それも楽しそうに！それが、俺のラジオ２次ブームであるribbonの「ハートにリボン」だった。妙に、プレゼントの応募タイトルが長かったってのが印象に残っている。２次ブームの中・・・たまたま、「浅香唯のちょっと悪い子」の最終回を聞いてみた。俺にとってリボンのラジオが最高だったので、あんまりピンと来るものではなく、内容もはっきりと覚えていない。
　そんな中、ねつけない夜に、「浅香唯の少し大人のシルエット」を聞いてみた。今日が、最終回！って言っていて、なんだなんだ？浅香唯って人は、人気ないのかぁ？なんて思っていた。（当時、浅香唯と言っても全くの無知だった）　それで、新聞のラジオ欄を改めて見てみても、どこにも最終回なんて書いてなかった。そんな中、エイプリルフールだから・・・。みたいなことを言っていた・・。　「だ・・・だまされた。（涙）」　ちょっと、「むっ！（怒）」とした。初めて聞いたラジオ番組にだまされたのだから、当然かもしれない。そのまま、ラジオのチャンネルを変え浅香唯には、ものすごく悪い印象をもったまま、夜の深い眠りに入っていった。

　次の日、リフレッシュして、改めてラジオの事を考えてみた。よくよく考えてみれば、一方通行のような世界で、リスナーをだますということは、普通できるものではない。きっと、次回の放送では、鬼のような苦情の手紙が来てるに違いない！！って思っていた。そんな中・・・浅香唯が今回が最終回といった次の放送日になったのだが、そのようなことは、すっかり忘れれて、聞きそびれてしまった。そんなこんなで、日々を過ごしていくうちに、ふとしたことから、「少し大人のシルエット」を聞いてる自分がいた。　そう・・。宮崎弁が、俺の耳にやけに残るのだ！　当時、毎年２〜３回は、祖父のある宮崎に帰省していた俺は、聞きなれた言葉に、吸いこまれていったのだ。
　宮崎弁に吸いこまれるようになってからは、彼女の歌にも興味をもつようになってきた。　その当時、ボーイフレンドをつくろう！が、発売中ということもあって、ガンガン放送中に毎回流れていた。最初は・・・なんだ・・。もてないのか・・・。浅香ちゃん。そう思っていた。　毎週毎週聞いているうちに、いつしか、俺の一番好きなラジオ番組になっていた。　浅香新聞というののプレゼントには、必死で電話をかけ・・・ハガキを書き、まさに、泥沼のはまり方をしていた。　そんな中、浅香新聞が当選して自宅に送ってきたときは、嬉しくて仕方なかった。　放送を聞いていると、アルバム「OPEN YOUR EYES」を発売するというようなことを言っていた。　松田聖子と近藤雅彦の歌２曲しか歌番組でも聞いた事なく、ましてや、アーティストのアルバムなど１枚も持ってないかった。　丁度、弟が「Ｘ（X JAPAN）」にはまっていて、ＣＤプレイヤーをもっていたので、テープに落とすか！？なーんて考えていた。　そーこーしていて、ドキドキしながら、レンタルしたはじめてのＣＤ。生まれて初めて、音楽に手をつけた、そのＣＤが、浅香唯の「OPEN YOUR EYES」だったのだ。
　アルバムジャケットを見ると同時に、初めて見た「浅香唯」の姿だった。　すいこまれるようなかわいい女性が映っていた。　ラジオの声から聞こえて来る無邪気なあの声は・・・こんなにかわいい人なんだ！と、しばらく見とれてしまった。　自宅に帰るや否や、弟にダビングさせ、何度も何度も繰り返し聞いた。何度も聞く中で、全ての曲が満足いく大変良い曲だが、「OPEN YOUR EYES」は、特に気に入って、１日２回は、聞くようになった。　まさに・・・まさに、俺の「OPEN YOUR EYES 物語」は、ここからはじまっていくのだ。これを機に、浅香唯にはまっていったのは、言うまでもないことである。

〜　完　〜